山倉農園の農家だより~“甘さは設計できる”~

山倉農園の農家だより~“甘さは設計できる”~

皆さんこんにちは

山倉農園の更新担当の中西です

 

~“甘さは設計できる”~

いちごは苗の準備環境の微調整で味と収量が決まります。苗づくり→定植→環境制御→受粉→整枝→給液→病害虫防除→収穫・予冷まで、現場でそのまま使える“型”をまとめました。🧭✨


1|年間カレンダー(温暖地・促成栽培の一例)🗓️

  • 5–6月:親株管理・ランナー取り(子苗・孫苗)

  • 7–8月:育苗(低温短日処理の準備/病害フリーの徹底)

  • 9–10月:定植→活着・クラウン太りの促進

  • 11–5月:開花・結実・収穫(“走り→盛り→名残り”の管理)

  • 6月:ハウス撤収・消毒・ベッド更新・資材整備

収穫期の“甘さ”は、7–10月の仕込みで8割決まります。⏱️


2|苗づくり(スタート地点)🌱

  • 親株:健全株のみ残し、病株は即時除去

  • ランナー子苗優先(クラウンが太る)/活着後は早めに切り離し

  • 花芽分化短日・低温で促進(品種により閾値差)。夜間の漏光対策は厳守🕯️❌

  • 育苗中の灌水朝多め・夕切り上げで徒長を防止。


3|定植準備とベッド設計 🧱

  • 高設:ベンチ高90–100cmで作業性◎/培地は排水性>保水性

  • pH/EC(培地・養液目安):pH5.6–6.2、EC0.8–1.4mS/cm(樹勢で微調整)。

  • 定植のコツクラウンを埋めない浅植え初回灌水しっかり💧


4|環境制御=“光と風と温度のリズム” 🌤️💨🌡️

  • 日中18–22℃夜間:**8–12℃**を目安(過乾・過湿回避)。

  • 湿度・VPD0.4–0.8kPa帯が安定。結露は灰色かびの引き金に。

  • 換気→カーテン→暖房→補光の順で段階制御。

  • CO₂施用朝の同化ピーク中心に(換気とのバランス)。

  • 日射比例潅水朝控えめ→昼ピーク→夕切り上げで根を甘やかさない。


5|受粉と果形づくり 🐝

  • マルハナバチ:**1群/〜1,000㎡**目安(圃場に合わせて調整)。農薬適合表を必ず確認。

  • 人工受粉:ハチ不在時は柔風で花粉を移動。

  • 奇形果対策低温・乾燥・チッソ過多を避け、開花期の温湿管理を丁寧に。


6|整枝・摘花・摘果 ✂️

  • 花房は1段目を主力に、2段目以降は樹勢に合わせて着果制限

  • 古葉・病葉は下から少しずつ除去(取り過ぎ厳禁)。

  • ランナー発生期は早めにカットし、果実への養分集中を図る。


7|給液・施肥の“やり過ぎない設計”🧪

  • EC樹勢×果負担×日射で微調整。糖度狙い=後半はややドライに。

  • Ca/微量はローテで。尻腐れ様症状には速やかにCa葉面も検討。

  • 濃度と回数薄く・回数多めが基本。急な乾湿差は空洞果・裂果の原因に。


8|病害虫の早期発見と初動 🛡️🐛

  • 灰色かび:花・萼の水濡れ回避/換気・VPD管理。

  • うどんこ:白粉を見たら早期ローテ。

  • 炭疽・萎黄:苗段階からの衛生(靴底・ハサミ消毒)。

  • 害虫:ハダニ・スリップス・アブラムシ→粘着板+天敵/選択剤

ラベル遵守・薬剤ローテ・収穫前日数の厳守は絶対。📒


9|収穫・予冷・選別・梱包 ❄️📦

  • 収穫赤色7–9割萼が反り上がるタイミング。萼ごと優しく収穫

  • 予冷5–8℃/高湿でクールダウン(結露ゼロを目標)。

  • 選別:サイズ・色・形・傷で秀/優/加工

  • 梱包クラムシェル+緩衝/箱は通気孔付き、二段積みの圧害に注意。


10|日次・週次のルーティン ✅

  • 日次:温湿・VPD・日射・潅水ログ、病害虫チェック、着色の進み。

  • 週次:古葉整理・ランナー処理・粘着板交換・歩留まりレビュー。

  • 月次:EC/収量/規格率の相関を見て給液曲線を更新。📊


まとめ
苗の質×環境の丁寧さ×受粉の確実さ=甘さ。まずは明日、朝の潅水を5分遅らせて同化の時間をつくってみてください。味が変わります。🍓✨